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山城地域のイネづくり
〜高温に負けない新品種導入に向けての

取り組み~

京都府農林水産技術センター農林センター作物部 林 健

1、主な栽培は「ヒノヒカリ」

 平成25年の京都府の水稲作付け面積は15,500haで、収穫量は82,200tです。これらのうち、山城地域(宇治市、城陽市、八幡市、京田辺市、木津川市および久世郡、綴喜郡、相楽郡)の水稲作付け面積は2615ha、収穫量は13,948tで、作付け面積、収穫量とも府内の水稲生産の約17%を占めています。

主に栽培されているのは「ヒノヒカリ」です。この種は、平成元年に「愛知40号」を母、「コシヒカリ」を父に宮崎県で育成された。九州における主力品種で、近畿、中国地域でも広く栽培されており、京都府では現在、「コシヒカリ」「キヌヒカリ」に次ぐ第3位の栽培面積を占めています。

2、高温による米の品質低下

 近年の高温傾向により、お米の内部が白く濁る白未熟粒が発生し、品質の低下が問題となっています。白く濁って見えるのは高温の影響で胚乳内にデンプンが十分に蓄積せず、デンプン粒間にできた空隙で光が乱反射するためです。このような白未熟粒は米の外観品質や食味の低下の原因となります。京都府でも登熟期間(穂が出てから米が稔るまでの期間)が高温であった平成22年には白未熟粒が多発し「ヒノヒカリ」の品質が低下しました。

3、「にこまる」について 

 「にこまる」は米の品質、食味の向上と収量性の両立を目標に、平成17年に(独)農研機構 九州沖縄農業研究センターで育成された。「きぬむすめ」を母、「北陸174号」を父とする品種で、平成18年に長崎県で奨励品種に採用され、その後、2県で奨励品種、京都をはじめ15府県で産地品種銘柄となっています(平成24年3月現在)。長崎県産「にこまる」は日本穀物検

定協会の「食味ランキング」で最高評価の「特A」を平成20年から24年の5年連続獲得しました。

4、「にこまる」導入に向けての取り組み 

 京都府農林水産技術センター農林センターでは、「にこまる」を山城地域における有望品種と考え、京都府内での栽培特性を明らかにするため、平成21年から所内での予備試験を開始しました。

その結果、「にこまる」は「ヒノヒカリ」よりも外観品質が良好で、多収であり、千粒重が大きく、食味推定値が高いことが明らかになりました。また「ヒノヒカリ」と比較して出穂期で4日、成熟期で3日遅い特徴があります(表)。現在は、適応性を明らかにするために、山城地域を含む京都府内の各地で「ヒノヒカリ」と比較した実証ほを設け、生育、収量、品質などの追跡調査を行っています(写真)。今後は、所内試験では安定した収量、品質を可能にする施肥量などを明らかにするとともに、現地試験を通じて山城地域での適応性を判断したいと考えています。

 

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